この記事は NZdaisuki さんで連載しているコラムに加筆修正したものです。
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実際にニュージーランドにワーキングホリデービザ(ワーホリ)で来て、バリスタとして1年働いた【くたまさん】にインタビューしました!
まいきーがツィッターで自身のバリスタライフを発信している時に、「バリスタに興味があるのでぜひお話してみたい!」と声をかけてくれたのが、【くたまさん】でした。
車がないと来づらいまいきーの働いているカフェに、わざわざ1時間以上かけバスとUberを乗り継いてやってきたときは正直驚きました笑
とてもバリスタになりたい意欲が強い彼女に、オークランドのカフェ事情や、効率の良い仕事の見つけ方、面接やトライアルのすすめかたなどを教えました。
その教えに彼女は素直に従って、出会ったその日の晩からお仕事探しを実行し、10件以上の面接やトライアルのオファーをもらい、1週間もかからないうちにフルタイムのバリスタとしてお仕事をゲットしました。
今回のコラムは、Flat Whiteに恋をして、バリスタとしての実務経験0からスタートし、ニュージーランドでバリスタになった【くたまさんへのインタビュー】です。
質問① バリスタを目指すことになったきっかけは?

旅行でオークランドに来た際、フラットホワイトを初めて飲んだのですが、その美味しさに驚きコーヒーを淹れる人になりたいと興味を持ったのがきっかけです。
一緒に旅行に行った友達からバリスタという職業があること、オークランドの語学学校でバリスタコースがあることを教えてもらって、バリスタになるためにニュージランドへのワーホリを決意しました。
ちなみに日本にいるときはコーヒーは全然飲みませんでした。
【コーヒー = 苦い】というイメージで、砂糖とミルクをたくさん入れたら飲めるけど好き好んでは飲まない飲み物でした。
そんな自分でもおいしく飲めるコーヒーがあることに驚いてコーヒーにも興味を持ち始めました。
質問② 実際にバリスタになるまでどんな道のりでしたか?
とにかくニュージーランドへワーホリに行くまでに練習が必要だと思い、家で練習するためにエスプレッソマシンを購入しました。
毎日色々調べて動画等を参考にしつつ見様見真似(みようみまね)でコーヒーを淹れる練習をしていました。
会社を退職してから2ヶ月間、フィリピンのバギオに語学留学へ行き、その学校でもバリスタコースがあったので受講しました。
内容としてはエスプレッソマシンを実際に使いながらコーヒーを作る練習をする、というものでした。
学校内にあるカフェでやっていたのでお客さんは生徒でしたが注文を聞いてちょっと手伝いもさせてもらえました。

日本へ一時帰国を経てニュージーランドへ入国。バリスタコースを2週間受講しました。
別のカフェでコーヒー教室があったのでそれにも参加しました。
その後、教会でコーヒーを淹れるボランティアがあると教えてもらい参加しました。(めちゃくちゃ忙しかったです)

その後カフェでバリスタとして採用され、くたまのバリスタ人生がスタートしました。
質問③ どうやって仕事をゲットしましたか?
Auckland Hospitality Jobsという求人掲載しているFacebookのグループを使いました。
自分の情報(どのエリアで探しているか、ポジション等を記入)とラテアートの写真を一緒に添付して投稿するとその日のうちにカフェのオーナーから連絡が来ました。
トータルで15件くらい連絡がきました。
その後、自分の希望になるべく近いカフェと連絡をとってトライアル*に行き無事内定をもらうことができました。
*トライアル(Trial)
・・・実際にエスプレッソマシンを使ってコーヒーを作って見せること。お店によっては何杯か作っただけで終わり、もしくは1時間程度働いたりする
トライアルに行くときは事前にどのくらい時間がかかるのか等聞いておくのをお勧めします!
トライアルをはしごできるので!
質問④ 実際に現地のカフェで働いて、想像と違っていたところ

バリスタコースではコーヒーの淹れ方等を学びます。
しかし、実際に働いてみると【お客さんの好みのコーヒーがあるので、注文が細かいことが多々あり臨機応変に対応する必要】があります。
学校で習った適切な牛乳のスチーム温度 (約65度) で作っても【ぬるい】と言われることがあったり、教科書通りに作っていてもダメな時もあります。
例えばご高齢の方が飲み物の注文をしてきた時、カップにあらかじめ熱湯を入れておいてカップをより熱くしてから作っています。(歳をとると熱さを感じにくくなるそうなので工夫しています。)
本当はシンプルに牛乳を熱くして提供すれば良いだけの話なのですが牛乳の温度はとても大切で、味が変わってしまいます。
そのため、できる限り牛乳を温めすぎない方法で作りたい、と私は考えているのでこのやり方でコーヒーを提供しています。
些細な気遣いがお客さんの満足度に繋がるので、常に気配りを心がけています。
もう一つは、【仕事がとても多くて大変】と言うところです。
バリスタとして最初に働き始めたカフェはとても小さいお店でした。
私はバリスタとして雇われていました。
しかし、仕事内容は
コーヒーを淹れて提供
レジ(注文を受ける・会計)
フードを運ぶ & 片付け
食器洗い
電話対応
など、表でやる仕事は全部私の仕事でした。
バリスタだからと言ってコーヒーだけ作っていられるわけではないんだなと思いました。
(実際ものすごく忙しいカフェではバリスタはほぼコーヒーを淹れるだけの仕事をさせてもらえるところもあります。というか忙しすぎるのでちゃんとそれぞれのポジションに人数が割かれています。)
やることがとにかく多い大変な仕事でもありますが、私にとっては【想像よりもはるかに楽しい仕事】でした。
質問⑤ お仕事のどんなところに魅力を感じるか

【お客さんとの距離が近いため、いろんなフィードバックをもらえるところです】
例えば、エスプレッソマシンのところにわざわざ来てくれて
「コーヒーとても美味しかったよ!ありがとう!また来るね!」と声をかけてくれたり
「今日も美味しいコーヒーたのしみにしてるよ!」等言ってくれるお客さんが沢山います。
自分が作ったもので喜んでもらえるのがわかるのでモチベーションにも繋がります。
私の働いているカフェでは常連のお客さんも多く、その中には「くたまの淹れたコーヒーが飲みたいから来てくれる」お客さんもいます。
自分が作ったものを気に入って通ってくれているのを見るのがとても嬉しいです。
そして、その人がお店に入って来るのが見えた瞬間にコーヒーを作り始めて、なるべく待たせないように工夫したりと、
常に【どうすればお客さんが喜んでくれるか?】と考えながらできる、とっても素敵な仕事だと思っています。
【朝仕事に行く前に一杯のコーヒーを買いに来て、その一杯からその人の1日が始まる】
ってなんだかちょっと素敵じゃないですか?
私はちょっと特別な仕事に思えて、たった一杯のコーヒーで人を幸せにできることに魅力を感じます。
質問⑥ これからニュージーランドでバリスタとして働きたい子たちに伝えたいこと

日本でバリスタの経験はないのでなんとも言えませんが、日本で接客業(飲食、携帯販売)をしていた時
沢山酷い言葉を投げかけられる
当たられる
無茶苦茶なクレームを受ける
理不尽な扱いを受ける
まるでサンドバッグにされているような気分で【接客業ってストレスがものすごく溜まる仕事】だなと常々思っていました。
だけど【ニュージーランドにきていざ接客業をしてみると全然違いました】
まずレジに立ってお客さんと” Hi! How are you? ”. “ I’m good! How are you? ”とお決まりの挨拶があって、
そこから
「エプロンについてるバッヂかわいい!どこで買ったの?」
「今はホリデー中で〜」
「今度ホリデーで〜に行くの」
とか知り合いでもないのに会話が始まって、そのまま会話が弾んじゃったりなんてこともあります。
【 “お客様は神様” じゃなくて ”お客さんと店員” 、どっちが上とか下とかじゃなくて立ち位置が同じなんです】
本当にお友達になれそうってくらい仲良くなれるお客さんもいます。
だからこそ、もっとお客さんを喜ばせたいと思えますし、ストレスなく頑張れます。
偉そうに物を言われたりもしないし、理不尽な扱いを受けたりもしない。
日本でずっと感じていたストレスをこっちでは全く感じていませんでした。
自分の好きなことをしているから楽しめている部分もあります。
でも、自分がバリスタとして働いていていつも考えているのは
【どうしたらお客さんをハッピーにさせられるか】
で、いつも試行錯誤しながら少しでもお客さんに喜んでもらいたいと思って仕事に励んでいます。
自分が頑張って美味しいコーヒーを淹れて、それを飲んだお客さんはちょっとハッピーになって帰っていく。
それでもし、私の淹れたコーヒーだったり、お店の雰囲気を気に入ってもらえたら、またお客さんが戻ってきてくれる。
【バリスタって学ぶことも大変なことも多いけれど、一番近いところで人をハッピーにさせることができる仕事】なんじゃないかなと思っています。
そんなニュージーランドに住んでいる人のフレンドリーな人柄に惚れて、その人たちがおいしいと思ってくれるコーヒーを作りたくて、その気持ちがモチベーションになって私を突き動かしています。
日本の接客業を通して、私と同じような経験をされた方もいると思います。
だけど国を変えれば全然違った見方ができるかもしれませんし、新たな発見があるかもしれません。
もしニュージーランドでバリスタとして働いてみたいと考えている人がいれば私は全力で応援しています。
私は、こんなに素敵で楽しい仕事、他にないんじゃないかって心から思ってます。
ニュージーランドでの接客、本当に楽しいですよ。
人々のフレンドリーさに触れて何事も楽しみながら働けること間違いなしです!
くたまさんのツィッターアカウントはこちらから↓
Tweets by kutama8126
以下のくたまさんのツィートで、ラテアートの写真つきでバリスタになるまでの道のりと思い、バリスタを目指したい方へのメッセージが記載されているのでぜひチェックしてみてくださいね!
2019年1月にFlat Whiteに出会いバリスタになりたいと思って日本に帰ってきてから家庭用の安いエスプレッソメーカーを購入。それからほぼ毎日コーヒーを淹れる練習を見様見真似でしていた。
2月に購入して、左から4月、5月、6月
ミルクもスーパーに売ってるやつを全種類買ってどれがいいか試した。 pic.twitter.com/ygqYh020Vx— くたま@ほろよいバリスタ☕️ (@kutama8126) February 22, 2020