この記事は NZdaisuki さんで連載しているコラムに加筆修正したものです。
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はじめまして! ニュージーランドでバリスタとして働いている【まいきー】です!
これから始まる連載コラムは、日本ではコーヒーに興味もなかったまいきーが旦那さんと一緒にニュージーランドへの移住をきっかけに出会ったコーヒーとバリスタのお仕事に関する内容です。ニュージーランドのコーヒー文化やバリスタになるためのステップ、カフェの裏側について本には載っていないようなことをコラムで紹介していきます。
第1回目は、コラムの著者であるまいきーが未経験からどのように失敗して、試行錯誤して、バリスタのお仕事を始め、今にいたるかをお話していきます。
日本では異業種で働き、経験無し。ニュージーランドでバリスタに!
出身地札幌でお世話になった留学エージェントさんの一言がきっかけで、自動車整備士の旦那さんとともにニュージーランドへの移住を決意しました。
そして30歳のときに夫婦でニュージーランドにやってきました。
日本では旦那さんは自動車業界10年、奥さんのまいきーは好きなタイミングで好きなことをやる性格なので、自動車、旅行、IT業界そしてヨガインストラクターなど色々なお仕事にたずさわってきました。
スタバに行ってもチャイラテを頼むくらいコーヒーには興味なし。ケーキの甘さを味わうための引き立て役がコーヒーという認識で、コンビニコーヒーで大満足していました。
母が近所のスーパーに入っているコーヒー豆屋さんから買ってきた豆で淹れたドリップコーヒーが一番美味しいコーヒー!と思っていました。
オーストラリアでちょっとしたコーヒーづくりの経験
日本で勤めていた会社の倒産をきっかけに、オーストラリアへ1年間のワーキングホリデーを決意しました。
旦那さんを日本に置いて、1年間ゴールドコーストのパンケーキ屋さんでウェイトレスとして働きました。
カフェではなくパンケーキダイニングのためコーヒーはおまけ程度。
コーヒーやミルクシェイク、ソフトドリンクを作るバーカウンターでの業務や、オーダーを取ったり、配膳をする業務を通じて英語を伸ばしていきました。
周りのスタッフに教わりエスプレッソマシンの使い方を学びましたが、バリスタの作る美味しいコーヒーとはかけ離れていました。
なぜかと言うと、バリスタはいなく、スタッフによってコーヒーの作り方が全く違いましたし、私はグラインダー(コーヒー豆を挽く機械)の調節をした記憶がありません。
エスプレッソマシンを使ったコーヒーは作っていましたが、今思えばどんな味のコーヒーを出していたのだろうと考えてしまいます。
ニュージーランドでトライアル(お試し業務)に挑戦するも大敗
オーストラリアでコーヒーも作っていたし、英語も前より話せるようになったのでカフェのお仕事探しなんて楽勝!!と高をくくっていたまいきーに思わぬ現実がやってきます。
ニュージーランドにやってきて納税者番号(IRD No)を取得。
ビーチも近く、おしゃれなカフェもたくさんあるタカプナで印刷したCV(履歴書)を片手にお仕事探しをスタートしました。
目についたカフェ全てにCVを配り始めましたが中々バリスタの求人はみつかりません。
マネージャーと話しても微妙な反応で、ポジションが空いたら連絡するかもね〜となんだか曖昧な回答ばかり。
それでも何軒かカフェに飛び込んで、ちょうどバリスタを探しているカフェに出会います。
CVをマネージャーに渡して翌日面接とトライアルを受けるチャンスをゲットしました。
オーストラリアのワーホリが終了してから半年以上のブランクがあったため、ミルクのスチームの仕方を忘れ、基本のハートのラテアートもできませんでした。
また、受けたカフェはコーヒーの味を売りにした人気のカフェでレシピが細かくて大混乱。
1時間のトライアルはあっという間に終わり、マネージャーからフィードバックがありましたが、バリスタとしての能力が足りないので不採用という知らせをその場でもらいました。
コーヒーの基礎を学ぶべくバリスタスクールに通う
初めての就職活動で大敗したのをきっかけに、バリスタのお仕事について真面目に考え始めます。
せっかくコーヒー文化の盛んなニュージーランドにいるので基礎からバリスタのお仕事やコーヒーについて学びたい!と思い立ちます。
オークランドの中心街にある 【The Barista Academy】 を見つけて2週間の 【Pro Course “Work Ready”】を迷うことなく申し込みました。
コースはひたすらエスプレッソを何杯も作り、常にミルクをスチームをして、コーヒーを作る2時間実践に特化した内容。
メーカの違うエスプレッソマシンが5台、グラインダーも2人に一台当たる環境です。
ニュージーランドで一般的なコーヒーのメニューについても一通り作り方を学んで実際に作りました。
コースに参加するたびに新しい知識や技術を学び、毎日出来ることが増え、自信のつくあっという間の2週間でした。
CVを配るのをやめて、オンラインの仕事探しを始めると家にいながらたくさんのオファーが!
コーヒーづくりの準備は万端、書き直した CV(レジュメ)をオークランド中のカフェに配るぞ!と意気込んでいましたが、バリスタスクールから卒業生向けのお仕事掲示板を紹介されて登録することに。
お仕事掲示板とはFacebookのグループ機能を使ったもので目からウロコでした。
このバリスタスクールのFacebookのお仕事探しグループをきっかけに他のグループも探すとたくさん出てくる出てくる!
複数のグループに登録して、自分が今 FOH* / バリスタのお仕事を探していることや、バリスタスクールを卒業したばかりなのことをまとめて各グループに投稿したところ、たくさんのカフェオーナーやマネージャーから面接やトライアルのオファーが舞い込んできました。
*FOH て?? Front of House の略で、カフェのホールスタッフのポジションのことです。ちなみにBOHは Back of House でキッチンで働くポジションのことを指します。
お仕事探しについては今後のコラムでCV編、お仕事探し編、面接編、トライアル編と詳しく解説していきますのでお楽しみにしてください!
バリスタとして雇われたと思ったらFOHに!?
Facebookのお仕事グループで連絡をいただいたカフェに数件面接、トライアルに行き複数のジョブオファー (内定) をもらいました。
その中から、おしゃれな街 Parnell にある、特に忙しく、おしゃれなカフェでの仕事に決めました。
FOHとして働きはじめ数日…一回もコーヒーを作っていないことに気づき慌ててマネージャーに相談しました。
よくよく話を聞いてみると、面接をしてくれたサブマネージャーとマネージャーのやり取りが食い違い、まいきーはバリスタのお仕事無しのFOHとして採用されたことが発覚しました。
しかしそこで引き下がらないまいきーは熱心にバリスタがやりたいことをヘッドバリスタに説得しバリスタのポジションをゲットしました!
「みんなはコーヒー作りが楽しく、簡単だと思っていて、すぐ教えてって言ってくるから私は教える気はなかったの。でもまいきーはすごく熱心に本気でやりたい気持ちが伝わったから教えるね!何でも聞いてね!」
バリスタとして5年以上働いている韓国人のGiaちゃん(20代) は今は自分のカフェをTakapunaにオープンしました。
そんな彼女からバリスタスクールでは教えてもらえないようなスキルを学べたことは私の財産です。
ステップアップを考えてCoffeeカンパニー直属のカフェに転職
Parnellで働いていたカフェはヘッドバリスタが辞めてしまい、そのまま私がヘッドバリスタになりました。
とても毎日忙しく、マネージメントに関することも任されるようになりました。
でも働くうちに、マネージメントの事や他のFOH業務は私がやりたいことではないと感じ始めます。
そして毎日カフェでコーヒーを作るたびにもっと色んな事を知りたい、ラテアートも自由自在に描けるようになりたいという思いが出てきてヘッドバリスタ/ FOH ではなく、専属のバリスタポジション、何よりの教えを乞う(こう)ことができるベテランバリスタがいる環境を求めて転職を決意しました。
そして現在はオークランドで老舗のCoffeeカンパニーとして数えられる 【Altura Coffee Company】 にてバリスタポジションで働いています。
転職活動の際に様々なカフェやCoffeeカンパニーからオファーをいただきましたが、コーヒーカンパニー唯一の直営カフェで働ける環境を選びました。
Altura Coffee Company のオーナーは World Barista Championships(バリスタの世界大会)の審査員も務める、Christ White です。1991年に Altura Coffee Company を創設しました。
コーヒー豆を海外から輸入、自社の焙煎場で焙煎、多くのカフェにコーヒー豆の供給を行っている会社だけあって様々なスペシャリストたちが働いています。
コーヒーは奥が深く、多くのことを吸収するには時間がかかる分野だと思いますが、自分が知りたい時に好きなだけ質問できて、回答を貰える環境というのは学びの場としてはとても良い環境です。
- Altura Coffee Company
- Webサイト: https://www.alturacoffee.co.nz/
現在はバリスタとしての経験を積みつつ、日本人のバリスタになりたい子たちをサポート
このコラムを通じて誰かの背中を押したい、助けになりたいと思い、NZdaisuki さんからの連載コラムのオファーを受けました。
今までも、多くの人たちが
- 「カフェで働きたい!」
- 「自分がやりたい仕事がうまく見つからない」
- 「未経験だからきっと雇ってもらえない」
- 「何か行動をする勇 気がまいきーさんみたいに持てない」
など、みんな夢や目標を持って海外まで来たのに、もがき苦しんで、結局スタートラインにも立てない人たちを見てきました
行動に勇気はいらないです、必要なのは情報です。
誰々さんだからできたのでは無く、やり方を知っているからできたのです。
CVを配って仕事を探すことしか知らない人は、仕事をみつけるために時間もお金も多くかかります。
星の数ほどあるカフェや飲食店を1軒1軒訪問してちょうど求人を募集している場所に巡り合う確率はどのくらいしょうか?
オンライン上で、求人を出しているカフェが集まる場所で、自分が仕事を探しているというアプローチする、使用担当者に目につくアピール方法という【情報】があれば面接、トライアルのチャンスも短期間でたくさん得ることができます。
実際に多くのニュージーランドでバリスタとして働きたい!という子たちに様々なアドバイス(情報を提供)をして、みんなバリスタとしての仕事をゲットしてきています。
バリスタになることを夢見る人たちへ、そしてニュージーランドへ旅行に行ってみたい、移住してみたい、日本の外のコーヒーについて知りたいという方へ、連載コラムを通してあなたが知らない何かをお届けできたら嬉しいです。